先人の技術について 「こんな材料を使っていたんだ」「絵具をこんな方法で製造していたんだ」等、その他感心するようなことがあったら教えてください。
Q | 先人の技術について 「こんな材料を使っていたんだ」「絵具をこんな方法で製造していたんだ」等、その他感心するようなことがあったら教えてください。 |
A | とにかく身の回りの着色物は何でも利用し、失敗を重ねて淘汰されたものが今日に踏襲されています。 例えば、インディアン イエローなどは水牛の小便を煮詰めたピウリーと云う濃厚なスープから、クリムソン レーキなどはコチニール臙脂虫(えんじむし)というカイガラムシの煮出汁から作られていました。 ピーチ ブラックは元来、桃の核の炭で、綺麗な穏やかな黒ですが、焼成温度を高めて粉砕度をあげるとこれが炭?と思うほどの漆黒度が得られます。ピーチではありませんが、ビワは随分綺麗な発色だったそうです。(今の絵具のピーチブラックはアニリンブラックを使用しています) 現在の鉛白のようにわざわざ鉛板から白錆を噴かせて製造していたものが今日では化学的に一挙に合成する方式に変わったりしましたが、多くの顔料は基本的には往時と変わりません。いわば装置が近代化したような形です。 |